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変形性股関節症

2025年09月30日 18:30

1.変形性股関節症とは


変形性股関節症(Osteoarthritis of the Hip, 股関節OA)は、股関節の軟骨がすり減り、関節が炎症を起こして痛みや機能障害が生じ、最終的に股関節を構成する骨自体が変形してしまう進行性の病気です。

股関節は、太ももの骨の先端にある「大腿骨頭(ボール)」と、骨盤の「寛骨臼(かんこつきゅう、受け皿)」で構成されています。この二つを覆う関節軟骨がクッションの役割を果たしていますが、これが傷つくことで、股関節の動きが悪くなったり、痛みが生じたりします。




2.主な症状


症状は、軟骨の摩耗や関節の変形の程度に応じて段階的に進行します。


段階に分けた症状の具体的な特徴

・初期:動き始めの痛み(始動痛)が中心。立ち上がりや歩き始め、階段昇降(特に上り)で股関節の付け根(鼠径部)やお尻が痛むが、休むと治まる。靴下を履く、爪を切るなどの動作がしづらくなることがある。

・進行期:動作中の痛みが持続するようになる。股関節の動きが制限され(可動域制限)、正座や深くしゃがむ動作、足を開く動作などが困難になる。痛みをかばうことで**「跛行(はこう、足を引きずるような歩き方)」**が出現する。

・末期:安静時や夜間にも強い痛みを感じるようになる(安静時痛・夜間痛)。関節の変形が著しく、脚の長さが左右で異なったり(脚長差)、歩行が極めて困難になったりする。


股関節の痛みは、股関節だけでなく、お尻、太ももの前側や横、さらには膝にまで広がる「放散痛」として感じられることもあります。




3.主な原因


変形性股関節症は、原因によって「一次性」と「二次性」に大別されます。


・二次性:別の病気や外傷が原因で発症するもの。 日本で最も多いタイプ。多くは、生まれつき股関節の受け皿(寛骨臼)が浅い「発育性股関節形成不全(臼蓋形成不全)」の後遺症として、長年の負担により発症します。

・一次性:明らかな原因となる病気がなく発症するもの。 加齢や肥満、過度な負担などによる軟骨の摩耗が主な原因。欧米では多いタイプですが、近年日本でも増加傾向にあります。




4.一般的な対処法


治療は、まず手術をしない「保存療法」から開始し、効果が不十分な場合や変形が進行した場合に「手術療法」**が検討されます。


①保存療法

・生活指導:股関節への負担を減らすため、適正体重の維持(減量)、杖の使用、和式トイレや正座を避ける、椅子やベッドでの生活を心がけるなど。

・運動療法(リハビリテーション):股関節周囲の筋肉(特にお尻の筋肉など)を強化し、股関節を安定させます。水中ウォーキングなどは関節への負担が少なく有効です。

・薬物療法:非ステロイド性消炎鎮痛剤(内服薬、外用薬)などで炎症や痛みを抑えます。


②手術療法

保存療法で痛みが改善しない、または変形が進行して日常生活に大きな支障をきたしている場合に検討されます。

・関節温存手術(骨切り術など):比較的若年で軟骨がある程度保たれている場合、自分の骨の一部を切って移動させ、関節の負担のかかり方を修正し、関節を温存する手術です。

・人工股関節置換術(THA):変形した股関節を人工の関節に置き換える手術。末期で強い痛みがある場合に、痛みの劇的な改善と関節機能の回復が期待できる、確立された治療法です。



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